何処へでも行ける 自由気ままな私に 小さな鎖を一つ 何処へでも行けると 嘯いてその癖嘘ではない 私に一つ与えてよ 貴方の傍に居ても良いって 何処へも行かなくて良いって ねぇ嘘みたいに縛り付けて 必要だって云って 構わないって赦して 大丈夫なんだって抱いて 何処へでも行ける この足だけで 何処にでも行ける 貴方を残して 全部捨てて 其れでも歩ける だから ねぇ私に一つ与えてよ 此処に居れば良いんだって教えて 両の手伸ばす事すら 躊躇うような窮屈さで 縛り付けないで私を 小さな呼吸一つ 戸惑うような重さで 締め付けないで私を 耳が痛い 胸が苦しい 縮こまった心が叫ぶ 言葉になんてしないで 鎖なんて要らない 束縛なんてしないで 振りかざすように 紡ぐ愛の言葉 其れが絆なら 鎖のように縛り付けて 貴方が私の物だったら 私が貴方の物だったら 哀しいなんて 知らないまま歩けるのかな 繋いだ掌 確かな温もり 其れでも胸がこんなに 寒々しいのは如何して? 響く愛の言霊 繋いだ掌 それだけでお互いを 鎖のように縛り付ける 確かな感覚 其れでも 冷たいのは如何して? 何処にでも行けて 何処にも行けない貴方と 何処にも行きたがらずに 何処へでも行ける私 束縛されるが故に 自由な貴方と 放任されるが故に 不自由な私 そっくりで間逆 絆だと嘯いて 鎖を握り合えれば 永遠と呼べただろうか 夢想は夢想 幻は幻 届くはずもない 鎖を持たない私と 鎖を嫌った貴方 風に吹かれる風船のように さぁ何処へ行くの ねぇ何処へ行こう 気紛れと気ままに 知らぬ存ぜぬで笑おう 束縛したくて、されたくない。なんて我侭。 欲しくて、要らない、なんて矛盾。 2008.01.08 |