花は咲くでしょうか 徒花となるでしょうか 嗚呼 其れも良いかもしれません 実は成るでしょうか 種が落ちるだけでしょうか 嗚呼 味気なく零れるのかも知れません 想いは実るでしょうか 静かに枯れ行くだけでしょうか 嗚呼 痛みはそれでも甘く疼くでしょう 土に埋めましょうか 水を上げましょうか 光に照らして上げましょう 一人でだって育ちましょう 乾ききった地面を 掘り起こした心の中に 貴方が残したもの 唯一つ落としていったもの 心に埋めましょう 幸福の種 見失い手に入れても 恐れずにいられるように 一人でだって育てましょう だって是は 私が幸福になる為の 私の幸福の種 この手の中の幸せの種は 貴方が忘れていったものですか 偶然ですか それとも わざと? どちらでも構いはしないのです 私は唯握り締めて待っていた 土に埋める事無く 水を注ぐ事無く 光を与える事無く 貴方が帰ってくるのをひたすらに 待っていただけなのです コレが幸せの種だと 気付いたのはたった今で 萎びれたコレはもう 腐り逝くしかないのでしょうか それとも未だ間に合うでしょうか 今度は私の為に育てましょう この手の中の幸せの種は 種のままでは寂しさを募らせるだけで 誰かに与えることも出来ません 芽が出なくとも構わないのです 土に埋めましょう 水をたっぷりと降らせて 光を注ぎましょう 今度は私の為に育てましょう コレは私の幸せの種なのですから いつか芽が出て いつか花が咲き いつか実が成ったら 誰かに上げましょう 幸せの種 貴方が私にくれたように 貴方が私に残したように 私も上げましょう 可能性ばかりを秘めた 幸せの種 貴方はもう、居ないけれど。 最初から、私の中に幸福の種があるのだと、解っていたら、芽が出て、葉がついて、花が咲いて、実がなっても、怖くなんて無いでしょう。 幸福になっても、怖くなんて無いでしょう? 2007.07.08 |